ゲーム感想「God of Weapons」
2023年9月に配信されたローグライク・アクションゲーム。Archmage Games Studio開発、販売。
ストーリー
ストーリーとはいえ、ゲーム内で語られることはほとんどない。Steamの紹介ページから内容をかいつまむと、「ある日邪悪の力が世界を覆い、世界は光を奪われてしまった。闇に呑まれ、混沌と破壊に満ちた世界を救うには『ゾールの塔』に君臨する君主ゾールを倒すしかない」――というのが世界設定となっている。
感想
所謂「ヴァンサバ系」と呼ばれる、もはや1ジャンルにまでなってしまった「Vampire Survivors」のフォロワー。画角はクオータービューに変更されているが、「自動で攻撃するキャラクターを移動させ、一定時間敵の猛攻を耐え抜く」という基本の部分は変わらない。プレイヤーは移動と回避を駆使してゾールの塔を1階ずつ登っていくという流れなのだが、本作では移動だけでなくボタンで回避が可能。本作のフィールドは本家「Vampire Survivors」と異なりかなり狭いため、端に追い込まれた状態からの脱出や敵の群れからの撤退に役立つ。また画角も本家より視野が狭いため、大群の視認から接触までのスパンが短く遊び心地は実際のところ結構異なる。そういう部分を加味したこの回避アクションは、ちゃんと狭いフィールドで遊ぶための要素として考えられていると感じた。また体力回復や一時的な無敵になれるアイテムなどもあり、それらの取得タイミングも重要となっている。
本作にあって本家にないもう一つの要素として、インベントリの配置要素がある。これはフロアクリア時に毎回あるフェーズで、これと各階で敵の大群と戦う戦闘フェーズを交互にやっていくのがこのゲームのメインの流れ。本作では戦闘中にレベルアップするとその場ではなにもなく、キャラクターの強化はすべてこのインベントリフェーズで行われる。まずレベルアップした分だけスペースの拡張を行い、その後でその広がったスペースに武器や防具、アイテムなどを設置していくのだ。基本的にキャラクターのステータスや戦闘フェーズでの攻撃方法などはすべてここに配置したもので決まる。
というか、本作の面白さはヴァンサバ系としてのゲームプレイよりも、このインベントリでの配置と強化にあると思う。武器や防具、アイテムにはシナジー(相互作用)が設定されており、隣り合わせや離して配置することで片方、あるいはお互いのステータスや武器効果を高めるものがある。これをうまく機能させれば、同じ武器を適当に並べたよりも強化された状態で使うことができるのだ。戦闘フェーズは階層ごとに異なるが、低層では1分弱、高レベルでも1分強になっている。その何倍も時間と頭を使うのが、このインベントリフェーズとなっている。
また、インベントリと同じ画面には5枠分の武器防具やアイテムが並び、お金を払ってそれを手にすることができる。そこに欲しい物がない場合、お金をつかってラインナップのリロール(引き直し)を行うことができる。連続でリロールするたびにコストが上がっていくので、どのタイミングで粘るのか、といった選択や、欲しいアイテムが出たが今は買いたくない場合、そのアイテムを枠に固定することもできるなど、ただのリロールにも技術介入要素がある。
こうしたリプレイ性の高いゲームは回数をこなすことで最も強い装備というものが固定されてしまいそうだが、「ナイト」「ハンター」「プリーステス」など職業ごとに固有のシナジー装備が最初に設定できるため、幅広い遊び方が可能。職業は10種以上、さらに同系統職業にもバリエーションがいくつかあり、初期ステータスが異なったり所持できない装備や得意装備があったりする。またゲーム難易度の設定も可能で、職業や特殊武器のアンロック方法が最初から開示されていたり、難易度が高いほどアンロックに必要な消費ポイントを得られるようになっていたりと、ゲームをやり込ませる仕掛けも見事。
まとめ
というわけで、本家にインベントリ拡張と編成を足して中毒性を生み出しているヴァンサバフォロワー。現状だと日本語翻訳がかなりアレなことや、ボスのバリエーションの少なさを除けば、ゲームシステムはもちろん、グラフィックやエフェクトなども違和感がなく、単なるフォロワーで括れない面白さがある。ちょっと亜流なヴァンサバに手を出してみたい方におすすめ。
画像:© 2023 Archmage Game Studio
PC(Steam)
https://store.steampowered.com/app/2342950/God_Of_Weapons/?l=japanese
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