2023年ベスト作品紹介
こんにちは。いよいよ2023年も残すところ残り僅かとなりました。
今年はiPhoneアプリをようやく公開できたことや、ゲームや映画の感想だけでなくゲーム制作に関する話題などを記事として採用するなど、当ブログに関わる部分ではそれなりに変化があったかと思います。それ以外でももちろん今まで通りゲームや映画などの感想を書き続けてはいたのですが、基本的に一度感想として記事にしたあとはほとんど触れることがないため、ちょっともったいないなあと思っていました。
個人的にもブログ記事にしたものってけっこう忘れがちなので、どこか振り返るタイミングがほしいなと思っていたので、せっかく年が変わるタイミングでもあるのでここで今年記事にしたもの(リリースされたものではない)の中からとくにおすすめしたいものを振り返ってみたいと思います。
ゲーム:ベスト・メトロイドヴァニア
私はとくにこのジャンルが好きで評価が甘めになりがちなのですが、今年もおおむね面白いものが多かったと思います。今年はゴア演出多めなトンガリ兜くんの冒険2作目「ブラスフェマス2」や、マップがお化けボリュームな「アフターイメージ」など、安定したクオリティのものがありましたが、特に「棄海:忘れられた深海都市」が記憶に残っています。クセの強い操作感にさえ慣れるのが大変ですが、ジャンプのない「360度シューティング深海探索アクション」という他の作品にはない新鮮なゲームプレイが楽しめました。デフォルメされたキャラクターもかわいらしくグラフィックやストーリーなども良質で、「型」が定まりがちなメトロイドヴァニアといっても色んなものがあるんだなあと認識させてくれる良い作品だと思います(といってもこの作品のPCリリースは2021年なのですが)。ちなみに本作はNintendo Switchなどでもリリースされており、PCでもゲームパッド操作が可能ですが、個人的には圧倒的にキーボード&マウス操作をおすすめします。その点でも他の2Dアクションゲームと毛色の違うプレイ体験になっています。
ゲーム:ベスト世界観・デザイン
メトロイドヴァニアを含め独特の世界観や設定を持ったゲームは数多いですが、今年遊んだものの中で個人的によかったのは「Atomic Heart」でした。「ポリマー」という物質の発見により科学技術力が異常なほど発展した1955年のソヴィエト連邦が舞台なのですが、20世紀半ばのソ連文化と現在のSFに見られるようなガジェットを強引に融合させた歪かつオーバーテクノロジーなデザインや、現代的なアプローチで誇張された独特の民族音楽は、レトロフューチャージャンルが好きな人にはたまらないものになっていると思います。FPSとしてのゲーム部分や終盤のストーリー展開は正直荒削りと言わざるを得ない出来でしたが、それらを除いて評価するなら背景デザインと音楽によって作られた世界の造形は一級品だと思います。
ちなみに音楽は公式がYoutubeにサウンドトラックをアップしているようですので興味があったら聞いてみてください(vol.1はVocal曲で、ゲームの劇伴はVol.2や3)。
ゲーム:ベスト・フレッシュゲーム
今年記事にしたものの中でとくに新しさを感じたのは「違う冬のぼくら」です。ゲームジャンル自体はストーリー重視の2D横スクロール・アクションパズルゲームですが、遊ぶにはもうひとりとオンライン接続&外部チャットツールで通話しながら遊ぶことが前提になっています。パズルの内容は手順や動作のタイミングが重要なものが多く相手と息を合わせることが必須なのですが、このゲームはそこにもう一つ仕掛けがあり、自分と相手プレイヤーが見ている画面の背景やオブジェクトがことごとく違うものになっています。また物語のイベントシーンも双方異なったものになり、同じゲームを遊んでいるのに得られる印象はまったく異なったものになるのです。ゲーム体験としてそこが面白く、同時に新鮮さを感じました。子供時代のノスタルジックな冒険とドット絵もマッチしており、アイデアとセンス含め素晴らしいと思いました。
映画:ベスト・マカロニウエスタン
これも当ブログでは甘々評価になりがちです。もはやイタリアで作られた純正の新作はほぼ公開されないジャンルで、世に名作といわれるものはそれなりに見たつもりではありますが、振り返ってみると今年もそれなりに鑑賞していました。今年観た中でベストを決めるとなると悩ましいのですが、候補をあげるとするならセルジオ・コルブッチ(監督)作品の「黄金の棺」か、ジュリアーノ・ジェンマ主演の「シルバー・サドル 新・復讐の用心棒」と「夕陽の用心棒」が印象深かったです。
「黄金の棺」は、南軍再興を夢見るジョナスとその息子たちが北軍の現金輸送馬車を襲い、大金を棺に詰めて偽の未亡人とともに「夫を埋葬するんで」と一芝居打ちながら北軍の包囲網を抜けようと目論む犯罪ロードムービーです。支配的な父親ジョナスとそれに従う中、ただひとり良識を持つ末っ子ベンは未亡人役クレアと心を通わせます。ベンが兄弟や父親に反抗する家族ものとしての要素、敗戦に抗おうとする父ジョナスの野望とその末の無情な結果などマカロニらしさがあり、アクション少なめながら展開とストーリーで魅せる渋い作品です。
「シルバー・サドル 新・復讐の用心棒」はブームの過ぎた78年製作ながらキャッチーな要素満載のマカロニ・ウエスタンです。幼少の頃、目の前で父親を殺されたロイは父の銃で相手を殺し、その馬を奪って父親を騙し財産を奪ったバレット家への復讐のために生き延びます。やっと復讐の機会を掴んで待ち伏せをするのですが、出てきたのはバレットの甥のジュニア少年で、しかも彼は別の賞金稼ぎから命を狙われます。ロイは彼を助けたり素性を知って突き放したりするわけですが、イケメンのジェンマ演じるロイと賢い金髪美少年ジュニアの絡みや、食えない三枚目の相棒スネークなど、現在でも通用するような引きの多い作品で話もわかりやすく比較的見やすい作品だと思います。
「夕陽の用心棒」は65年製作の初期マカロニ・ウエスタンで、中でもとくにコテコテな内容です。「エンジェル・フェイス」の異名を持つ凄腕ガンマンのリンゴが、銀行を襲い牧場に人質とともに立てこもったサンチョ強盗団のところに銃を持たずに乗り込み、彼らの信用を得て人質を開放しようと試みます。リンゴ自身も善人かそうでないか確定できないように描かれており、間抜けそうで賢い悪党サンチョとの知恵比べ、クライマックスの銃撃戦など、黒澤明監督の「用心棒」メソッドに忠実という意味で非常に王道的なマカロニ・ウエスタンとなっています。
映画:ベスト西部劇
こちらはマカロニ・ウエスタン以外の西部劇となります。こちらもいくつか視聴しましたが、今年見て特によかったのは2017年製作の「ワイルド・ウエスト 復讐のバラード」です。かつてモンタナ州周辺で活躍した4人のガンマンたち。4人組のうち3人は州知事や保安官など人望ある地位を手にしたが、ただひとりレフティ・ブラウンだけは仲間の一人で牧場主にして上院議員エディの牧場手伝いとして過ごしてきました。足を痛め何事も満足にできない彼は誰からも尊敬されないものの、ただ一人エディだけが彼に信頼を寄せていたのです。しかしそのエディが暗殺されます。エディを守れなかったことを周囲から責められる中、レフティは親友を失った怒りから犯人探しに奔走する、という話です。徹底した持たざる者への仕打ちと、それでも腐らずやるべきことをやる男の生き様がカッコイイです。
映画:ベスト・ホラー
ホラーは数多く観たわけではありませんが、今年観たものでよかったのは2022年のジョーダン・ピール監督作品「NOPE」です。撮影用の馬の牧場を営んでいたOJは、ある晩彼は謎の飛行物体を見かけます。それは空から降ってきたコインに父親が貫かれて死んだ事故の日に見たものと同じでした。妹にそのことを話すと、「それの動画を撮って儲けよう」と提案され、全力で撮影に挑もうとする話です。個人的には不気味さのある序盤中盤と、そこから一転して疾走感のある対決になる終盤が最高でした。純粋なホラーといっていいのかわかりませんが、見たことのない映像やアイデアの世界を表現してくるのは本当に素晴らしいです。
まとめ
というわけで、2023年のおすすめセレクションでした。現在ゲームに関しては2024年1月5日くらいまでSteamウィンターセールで値引きされて販売されていますし、映画の方はだいたいAmazon Prime Videoで無料視聴できると思いますので気になった方はぜひ触れていただければと思います。それでは良いお年を!
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