分離型キーボードを使ってみた感想「Majestouch Xacro M10SP」
今回は、以前から気になっていた「分離型キーボード」を最近購入したので、2ヶ月半ほど使ってみた感想を述べていきたい。別にガジェットレビューというほど肩肘張ったものではないし、私がキーボードの目利きであるとかそういうわけでもなく、そもそも今回分離型に手を出してみたのが初めてなので、初めて触ってみたらこうでしたという程度のものだということでご了承願います。
なぜ分離型?
そもそもなぜ分離型キーボードが気になっていたかというと、元々長時間キーボードを打ち続けていると手首が痛くなることがあったのと、最近肩周りに力が入ってしまうのか筋肉が固くなってしまい、なるべく力を抜いた形で作業ができるようにしたかったというのがある。いずれにせよ通常のキーボードはどうしても手の位置がハの字状になるのに対し、分離型であればもっと楽な姿勢でできるだろうという素人考えから今回購入に踏み切った。
選んだ製品
とりあえずAmazonでざっと検索してみたのだが、当然ながらこのタイプのキーボードは通常のものより数は多くない。そんな中から選んだのは国産メーカー、ダイヤテックのFILCOシリーズ「Majestouch Xacro M10SP」。今まで使っていたキーボードが同じく「Majestouch2(108フルキー茶軸)」で、これを買ったのが実に12年前にもなる。その間故障もなく使い続けてこられたので(なんならまだ使える)信用があったというのと、この「Xacro」はマクロプログラミングに対応しており、さらに左右の境目部分にマクロ専用キーがあって好きなキーを割り当てられるという点が主な理由だ。このマクロについては、後々関わってくる「足りないキー」を補う部分でも重要になってくる。
感想:日本語タイプは違和感なしだが……
実際に使ってみた感想だが、まず期待した通り長時間作業していても手首の痛みを感じることがほとんどなくなったように思う。この製品の場合、専用のUSB-Cケーブルで繋がれているがだいたい30cmくらいまで左右の間を開けることができるので、自分の手首が一番楽な曲がり具合のままキータイプできるのは大きい。これは流石、エルゴノニクスキーボードと謳っているだけあると感じた。
打鍵感も元々使っていた「Majestouch2」同様に好みの押し心地、かつ接触部にシリコンが入っているらしくカシャカシャ感がなく静か。これは完全に嗜好の話だけど個人的には満足。
そして分離型に変更する際に気になっていたのが、いくつかの文字入力以外の機能を持った単体キーがないという点。この製品の場合、「F1~F12キー」や電卓配置のいわゆる「テンキー」、そして「矢印キー」、あとはDeleteやInsertなどのキーがない。数字キー自体は最上段に横並びで配置されているし、単体ファンクションキー自体もそんなに多用してこなかったが、矢印キーがないキーボードというものに触れたことがなく、実はここが一番不安だった。
実は矢印キーがないからといって入力ができないわけではなく、右側の最下段の右から2個目に「Fnキー」があり、これを押しながら他のキーを押すことで別の入力にすることができる。ファンクションキーは「Fn」と最上段の数字キー+α、矢印キーは「Fn」と「I」「J」「K」「L」で上左下右で入力が可能。その他にDELキーやINSERTなども同じような入力形式になり、一応一般に使えるキー入力はだいたい揃っているといえる。
とはいったものの、単一キーで押せていたものをFnキーとの同時押しにしなくてはならないというのは最初はかなり面倒だった。とくにキータイプというのはスピードが命。実際「日本語を打つ」だけならほとんど違和感なく移行できたのだが、矢印キーを始めとする一部のキーに関してはそのままではかなり工夫しなくてはいけなかった。私は矢印キーに対して「右手の人差し指で左」、「中指で上下」、「薬指で右」を押下する方が多いのだが、Fnキーを小指で押しながらだとその操作がキーの位置的に難しく、どうしても入力中に。
マクロ専用キーでカバーできる
そこでこの「Xacro」のマクロ専用キーの出番である。この製品にしたもう一つの理由は、「慣れないキーを登録して使用すれば、最悪慣れないという事態を回避できるのでは」というのも目論見にあった。ソフトウェアマクロの登録はダイヤテックのサイトから専用ソフトをダウンロードすればPCから簡単に登録できる。
というわけで、早速矢印キーをマクロ専用キーに登録することを試みたのだけど、ここでもまた問題が。マクロ専用キーは分離した左右の端に各縦一列で配置されているため、矢印キーをそのままWASD的な配置にすることはできないのだ。色々試行錯誤してみたのだが、結果的にそこに当てはめるのはやめた。
次の方法は、右手の親指で押しやすい位置にあるマクロキーにFnキーを割り当てるという方法。ただ、製品の仕様上ソフトウェアマクロではFnキーをマクロキーに割り当てることができないため、ちょっと手順を要することに。
まず、この製品の公式サイトからカスタムファームウェアをダウンロードした上でそれを製品に反映させ、背面のDIPスイッチ11をオンにしてハードウェアマクロをオンにする。こうすると、最下段にあるマクロ専用キーがFnキーになるので、親指でそこを押しながら通常キーボードの矢印キーを押す感覚でIJKLを押すことができた。最初こそ慣れなかったものの、指の長さ的に余裕を持って以前の運指ができるため直感的で慣れやすいと感じた。他のマクロキーも割り当てられるので、自分のよく使うキーを登録すれば通常キーボード使い勝手が向上する可能性がある。ちなみに自分はDeleteやESC、+や*など単体で押せないキーを主に登録しているが、マクロキーが押しやすい位置にある分思ったより馴染んでいると感じた。
まとめ
というわけで、個人的にはわりといい買い物だったと思っております。マクロ設定やファームウェア周りの設定の手間は正直全部ソフトウェアで完結してくれよとは思うものの、頻繁に切り替えるものでもないので一度設定してしまえばいい話だし、最初に書いたが個人的には手首の負担がかなり減ったのが大きい。通常のキーボードからの移行に不安がある方もマクロキーによってある程度フォローできるので、気になっている方は選択肢に入れてもいいのでは。
公式サイト
https://www.diatec.co.jp/shop/xacro/m10sp.php
公式ハードウェアマクロ登録方法動画(別製品ですが手順は同じ)
https://www.youtube.com/watch?v=5zsmdzvsuVk
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