ゲーム感想「スチームワールドディグ2」

2017年に配信されたImage&Form Game開発の2D探索アクション・メトロイドヴァニア。日本ではフライハイワークスからNintendo Switchで配信されている。PC版もあるが、こちらは日本語未訳な模様。
「スチーム」とタイトルがついておりどことなくスチームパンクを思わせるが、どちらかというとデザインは西部劇。登場人物のほとんどがスチームボットという機械であり、ファンタジー色が強い。
一応続きものとなっているものの、ストーリーに重きを置いたゲームではないので特に前作をプレイしなくても問題ないと思う。簡単に補足すると、前作のメインNPCの一人だったドロシーという女の子(型スチームボット)が、前作の主人公ラスティを追って鉱山町エル・マキーノにやってくる、という感じ。

拠点となる鉱山町エル・マキーノ。どちらかというと西部劇成分が強い。

ゲームの大部分は、主人公がツルハシを持ってダンジョンに潜り、ひたすら地面を下に向かって掘り進んでいくというものである。地面はブロック上に分けられており、崩せる場所や崩せない場所、岩などに分けられ、中には敵や財宝などが埋まっている。どのように掘り進めていくかは自由。闇雲に掘っていくと戻るのが面倒になったり、落石などで財宝を潰したりしてしまうこともある。またダンジョンには制限時間(厳密にはランタンの灯で、これが消えると視認性が悪くなる)があるため、掘った後の地形が移動しやすいというのは重要なのだ。

また、掘削作業が延々続くだけでもなく、ほどよいタイミングでストーリーイベントによるボス戦や、アクションor謎解き主体のミニダンジョンなどが差し込まれたり、ギア(歯車)や設計図、コレクトアイテムのような収集要素もばらまかれている。道中のギミックも、プレイヤーを苦しめるというよりもプレイヤーが築こうとする地形に影響を及ぼしてくる。
また、メトロイドヴァニアお約束の、特殊アクションが開放されることで一気に移動などが楽になる仕組みも入っており、行ける場所が広がる楽しみもある。ロケーションについても、序盤こそ鉱山のような場所がメインだが、掘り進んでいくうちにまったく雰囲気のことなる場所に繋がっていくのだ。

基本アクションとして、ツルハシを振る、ジャンプ、壁蹴りなどがある。
ゲームが進めば、さらに便利なアクションが使えるようになる。

そして、このゲームで最も素晴らしいと思う点は、お手本のようなゲームサイクルだと思う。
基本的には、ダンジョンに潜って掘り進めながら財宝などを回収し、それを町に持ち帰って換金、手に入れたお金で装備を強化してまた地下に潜る、という流れである。コレ自体は「敵を倒してお金を集め装備強化→さらに強くなる」のと同様でどのゲームにも見られるサイクルだが、このゲームの場合、その「強化」が目に見えてわかりやすく、効率アップに繋がるように作られているのだ。ツルハシを強化すれば、ブロックを破壊するのに必要な回数が減るし、バッグを強化すれば、一度に持ち帰れる財宝の数が増える。ランタンを強化すれば周囲を照らす時間が増え、長くダンジョンにいられるし、タンクを強化すれば、特殊武器使用に必要な水の格納量が増え、水源に補給しに戻る回数を抑えられる。また、道中で拾えるギアの数だけ能力を装着させることが可能。どの順序でプレイヤーを強化させていくかにもある程度自由度がある。
どれから強化しても、掘削が楽になったことを実感できるし、町に戻ったときの換金結果がリザルトとして表示されることもあって、「前より稼げるようになった」というのがわかりやすいのだ。これが活きるのは、収納数や制限時間があり、町に戻るフェーズを強制されるからこそだろう。
このあたりは前作から変わらないが、今作の方が圧倒的にわかりやすく、自由度もあって楽しく感じた。ちょっと先が気になったり、強化したものを試したくなったりしてつい「もう一回だけ」が発動してしまう。ゲームサイクルがギュルンギュルン回っている証拠だろう。

というわけで、考えて掘る探索部分と、アクション部分の緩急がついた作品。ゲームサイクルはもちろん、ただ「掘る」という単純作業でもテクニックと工夫の余地があり、飽きさせないのはすごいと思った。短い時間でサクッと遊べる上に、シンプルながらつい熱中してしまう。おすすめです。

画像:http://flyhighworks.heteml.jp/games/swd2/

Nintendo Switch
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000003455.html